73回公演
福井県福井市
山内整形外科病院ふれあいホール |
「ピンと張り詰めた空気の中で、次第に心が温かくなっていくのを感じました。心の中に風景が広がるのを感じていました。 夫々に生きて来た環境・経験etcで、想う風景は確かに違うのでしょうね。疲れると田舎の風景が浮かび、そこに大の字で寝転びたい衝動に駆られます。だから私の描く風景はそこに近いものがありました。」
「本当に感動的でした。最近、仕事に悩んでいまして、朗読を聞いて、なんだか力が湧いてきました。人間の持続することの大切さを改めて感じることができました。」
73回目の今回は、10年来劇団公演をサポートしてくださっている山内陽子さんの主催となりました。病院の勉強会と言うことで、集まられた46人(男性7人)の多くは、看護師さんを始め、病院で働く方々。勿論、院長の山内四郎さんもお聴き下さいました。
ふれあいホールは病院に隣接された建物で、70人ぐらいで一杯になる空間です。
2000年3月31日にもこのホールでやらせていただいています。
当日は夜7時開演でしたが、間に合わない方がいらっしゃると言うことで予めスタートを15分遅らせることになり、終了後の杪谷の解説を最初に繰り上げ、時間を調整することにしました。7時15分、私は暗転の中、観客の後ろより朗読開始。空間は割と反響も良く、落ち着いた雰囲気で言葉が伝わると言った感触。今回も前回のプロローグと同じスタイルで進めました。病院ということもあり、途中で救急車のサイレンが近づき、「あ、山内院長が出て行かれるんだろうな」と、途中退場を気にしたのですが、出て行かれたのは、後方にいらした方。気持ち悪くなられて救急車に・・・乗られたと言うことではありません。これは冗談です。聞き手の方の右側に中庭があり、そこにはしいの木を含めた樹木が4本、それらにライトアップをして終演となりました。
いつもならここで杪谷が軽やかに登場。となるのですが、既にお役御免。そうなると、お礼のお辞儀をした私は帰るに帰れず、観客のみなさんの前で沈思黙考。いや、暫しの間。そして作者や作品の紹介、朗読をするときの気持ちなどをお話させていただきました。これを受けて聞き手の方より「なぜ裸足で朗読するのか」など質問が有り、それに答えたりしました。感想としては若い女性の看護師の方より(多分そうだろうということですが・・・白衣の天使ではありませんでしたから)「木に囲まれて死んで行くのだろうと物語を推測したのに、ホスピスで死んだとは意外だった。出来れば木の根元で、どんぐりになっていてほしかった。」という感想が返ってきました。で、貴女ならそう言う死に方がいいですか?と切り返すと「私はいやですけど」という答えでした。
主人公には“ロマンを生きてほしい”のでしょうね。何となく分かる気もしますが・・・でも冬に死ぬのは寒いでしょうね、イヤ失礼。
前回同様、ゆったり落ち着いた感じを維持しながら朗読をしました。昨年の12月の頃より朗読の雰囲気が一定のリズムを刻んでいるように感じられます。これがいいことなのか、あるいは違う方向を向きはじめた兆しなのかは分かりませんが、暫くはこの感じを維持してみようかなと思っています。
ところで文頭の言葉はメールで届いた感想です。聴いてくださった方が家に帰り、一息ついた時に感じられた言葉なのでしょう。私にはそれぞれの人生からのメッセージと思えるのですが・・・
このところメールによる感想も増えてきました。アナログの朗読に対してメール、これが現代(いま)なのかもしれません。 |
74回公演
愛知県豊橋市
豊橋市民センター多目的ホール |
「え〜!うそ!どういうこと。何でこんなことになるの?」これ私の心の声です。
その声が飛び出したのは、愛知県豊橋市の豊橋駅から商店街を歩いて7分ほどの所にある、市民センター「カリオンビル多目的ホール」でした。74回目の主催をしてくださったのは「穂の国森づくりの会」で参加者43名(うち男性31名も)。昨年、穂の国をご紹介する番組のナレーションをさせていただいた時、事務局の森田実さんにお目に掛かり今回の朗読の話が持ち上がりました。
当日は5時前に豊橋の会場に。広い会場(別紙)にはガラス窓がいくつか有り、その向こうには夕暮れの豊橋の街が写っていました。ガラス窓を背にするとカーテンで覆っても外の明かりが入るとの判断から、その反対側の木の壁となっているところを朗読の場所としました。 早速森田さんと杪谷と私の3人で会場づくり。今回は「穂の国・・・」の71回目の例会となっていたため6時30分には例会の開始、終了後7時30分より朗読という予定が組まれていました。そのため、5階の控え室でしばし待機。
そろそろ例会が終わりそうだと思い、6階の会場入り口受付横で遅れてお見えになる方を伺っていました。すると、そこにあろう事か、朗読界の悪魔、4才ぐらいの男の子を連れたお父さんがやって来たのです。「あ、お子さんは駄目と森田さんに言ってなかった、どうしようか」と私。「OO君来たの。はいこれ、どんぐりね」と受付の人。「もしかしたら、この受付の女性がいってくれるかも知れない、今日は駄目だよ、と」しかし、お父さんとは会費のやり取りに終始。本当は主催者の森田さんに相談すべき処を、気がついたら私が「あの〜、お子さんもお聴きになるのですか」お父さんはにこにこしながら「え〜、あ、大丈夫ですよ、おとなしく聞いていますから」「でも、40分、いや45分なんですよ、朗読は。以前もあったのですが、真っ暗だったりするとやはり無理なんですよ。え〜やはり、ちょっと、駄目じゃないかと・・・」「あ、そう、OO君。駄目だって。面白くないから、帰ろう。」とすたすたエレベーターの方へ。子供は受付で、「お父さんは・・・」「こっちだ、こっち。聞いちゃ駄目だって。頭来たから、面白くないから帰るぞ!」と結局こんなやりとりがあり帰っていかれました。早速森田さんを捕まえて、私の発言で怒って帰りましたと報告。森田さんが「あ、すいません駄目でしたね、子供は。私の方こそ失礼しました。大丈夫です、会員ですから」とおっしゃってくださり一安心。
6時15分に例会が終わり、皆さんがロビーに。その間に観客の後ろにある機材室へ入り、着替えて開始を待ちました。しかし、自分の言葉で頭に来て朗読を聞かずに帰ってしまった人がいるということを考えると、どうも集中が・・・。暗転となり、後ろの扉から出ようとするとドアに挟んでいた板きれがはずれ、“がちゃ、がちゃ、がっしゃん”と床に倒れ、「あ、しまった」しかし、すぐに知らん顔して、音楽が終わるのを待ちました。そして歩きながら「40年ほど前のことだが、私はプロバンス地方の・・・」といい始めたときに「あれ、これ、どこの台詞だろう?あ、これ座ってから言う台詞だった」と後の祭り。その台詞の後、何食わぬ顔をして(暗くて見えないが)「ある人が並はずれた・・・」とやり直したのです。「この後どうしようか?」と逡巡する間もなく、もう一度「40年ほどまえの・・・」のフレーズを。そこから先は何とか、本当に何とかペースを守りながら最後まで。観客の方は概ね満足して下さり、聞いてくださったギャラリーのオーナーの方が今度企画したいとおっしゃってくださいました。
あのお父さんは怒って帰ったけど、満足された方もいらした、これも朗読会?・・・。 |
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