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62回公演
名古屋市 鈴木宅
62回を数える朗読会が、名古屋市瑞穂区の鈴木和子さん宅で開催されました。
主催の鈴木さんはまさに奥様、働いたことがないのではと言うほど、おっとりされた方なのです。
この“おっとり鈴木さん”の母屋は日本家屋で(住まいは隣の洋風の家)ここしばらく使用されてなかったのですが、娘さんがお産の為の里帰りに最近使われたそうです。それを機に度々訪れると(同じ敷地の母屋なのですが)、不思議と心が安まることに気付き、この空間で何か企画したいと思うようになったそうです。その話を友人にされたところ、「以前、この近くの書肆孤島(澤田美江さん)で朗読を聞いたけど良かったから、それをやったら?そうよ是非やってよ」と言ったかどうか知りませんが、とにかく孤島の澤田さんに相談、朗読会を開催することになったのです。
母屋の四部屋の内、8畳を二部屋使用して朗読をしました。北側に縁側があり、その先は15・ほどのちょっとした庭になっていて、どういう訳かそこには高さ3mの蘇鉄が植わっていたのです、なんで?いやまあ、ただあったというご報告ですが。
庭を背にした縁側に朗読の椅子を置き、畳16畳に男性9人、女性29人の計38人の方に座布団に座っていただきました。開始は7時30分でしたが、お客さんを待ち5分押しで始まりました。
まずは当初の打ち合わせ通り暗転。その時、私は隣の部屋に陣取っていたのですが、なんと私の後ろから暗闇の中、ぞろぞろと消灯班の女性4人が手探りでやってくるのです。私が集中し、さあ出るぞと思っていたときに“おばさんゾンビ”。暗いんだから見えるはずがないのに“見えない見えない”といいながら朗読の部屋へ・・・。
勿論聞こえぬ程度に「うはあ〜」と落胆の溜息、気を静めて暗転の中、杪谷が「すいません、ここ少し開けてください」と確保した通路スペースを歩きながら朗読を始めました。ところが、椅子のある縁側をみるとボーッと明るいのです。何だろうと思いながら近づくと、下手にあるトイレの明かりがつきっぱなし。あの“おばさんゾンビの消灯班”は何だったのだろうと、ここでも「うはあ〜」、“どないしたんや暗転の約束やったろ〜”と心で叫び(こういう場合いつも大阪弁になる)それでも語りは真剣に標準語。そんなアクシデントに見舞われながら椅子に座り語り始めました。暫くすると今度はピッピ、ピッピと言う音が聞こえ出しました。これが後で解明したのですが、デジカメのシャッター音杪谷曰く“まさかそんな音が出るとは知らなかった”許すことにしましょう(だって杪谷の隣にデジカメマンがいたのですから、どうやら彼も現代人に有らずの様です)さらに途中からどなたかがお見えに・・・。そんな驚きを抱え、今回は和室と言うことを意識して少しウイスパー気味に語ってみようと思い進めました。和室の空間では、声を張って出すよりも寄り添うような関係で言葉を語った方がいいのではと思ったのです。後日、10月24日にご協力いただく有松絞りの下村訓子さんより、元気がなかったのではという感想をいただいた程でした。この語りで40分を通しました。感想は「この作品を以前に朗読しましたが、やはり男性がいいですね」「以前に聞いた方が感動した」何と冷たい感想を・・・実はこの方が鈴木さんに紹介下さった方です、ガクッ!。
杪谷が命を懸けたライトアップは・・・勿論忘れてはいませんよ。縁側の向こうの庭にある蘇鉄のエッジを出すようにライトをひとつ、さらに、低い草が茂る部分に奥からライト。こんな感じでおしゃれで感動的なライトアップとしてみました。
63回公演
山山堂(名古屋市)
以前から知り合いの女性デザイナー、太田絵美さんの作品展「ちんこんかん」の開催に合わせて、今回の朗読会が実現しました。この話が具体化する前、山山堂(名古屋市千種区)のご主人、隅和伸さん(無口な山男)にお会いし、この喫茶とも居酒屋ともぎゃらりーとも付かぬ二階建ての民家“山山堂”で出来ないかという相談はしてありました。その後、奥さんの隅あゆみさんが長久手の「ギャラリー侘助」で聞いてくださり、この朗読ならやってみたいということになりました。私が太田さんと知り合いなので、何なら太田さんの開催中にやりましょうと言うことになった次第です。
山山堂は、二階に山の本を並べ販売もしている、そう言う意味では本屋さんでもある訳です。一階は長いテーブルが二本と椅子10脚程度、それにカウンターに椅子をしつらえ、30人も入れば動けないと言う感じの喫茶店かな?居酒屋かな?どうも未だにどちらか分からないのですが、そのお店の左奥に二階へ通じる階段があり、一階から4段ほど上った階段の踊り場を朗読スペースとする事にしました。実は下見の時は二階のギャラリー?&本屋?でやるつもりでしたが、暗転の問題とセンターに間仕切りがあるという事から、再度検討の結果、階段の途中にすることになりました。しかし、この場所が意外と収まりが良く、少し観客より高見になり、聞きやすい場所に変身。さらにライトアップを諦めていた杪谷にとっては起死回生の空間に。入り口の横(朗読の横でもある)何と格子がはまったガラス窓があったのです。その向こうにはつまり外側には緑が・・・あったのです、朗読のいのちとも呼べる緑が。
さて、私の右前に一台、左横のあたりの階段裏に一台と変則に照明を並べ、二階より階段を下りながら集中していただく曲も短めに3分ほど・・・と思ったら、一人入り口に登場、またその人を自分の場所に呼び寄せるために“誰々さんこっち、こっち”の声、結局呼ばれた人はその場で40分の時間を過ごされましたが。まあ、そんなこともあったのですが、ほぼ時間通りに7時30分スタート。私の方は階段を下り、この所のペースを守りゆっくりと朗読していきました。少し、朗読に語りの感じを強調しながら進めていきました。この空間は狭いこともあって声が届き、それほど声を大きくする事に囚われずに途中まで行き掛かった時です。ここで、アクシデント勃発。男性13人、女性20人の計33人の中から、30ページ読み進んだところで“すっくと二人の女性”が私と31人の前を横切る事になったのです。入り口まで行きバタッと倒れ、その後ドアの外へ。まったく朗読よりドラマティックな出来事になったのです。それからは最後まで何事もなくどちらかと言えばゆったりとと言った感じで進めることが出来ました。
感想としては女性が「高校の授業で、この英語文を訳したので、その答えを探しにやってきました」酔った男性「話しているときには、近寄りがたい感じがしたけど、ここでお酒呑んでいるあんたは、普通のおっさんやね」20代の女性二人「酸欠になったんです。本当は聞きたかったのですが、どうしても耐えられなくて、今度はしっかり聞きます」
50代男性「あれは完全に朗読じゃないね、語りだね。」20代男性「感動したので、目を閉じてしっかり聞こうと、下を向いていました。」20代女性「お腹の虫が鳴り続けて、恥ずかしいので下を向いていました。」など、千差万別と言ったところでした。 
空間がグッとしまった感じであり、木の住処という感じのする場所、最初から、語る居場所があった気がしました。ライトアップはあらかじめ窓に黒幕を張り、最後に黒幕をはずし、格子の向こうの緑にライトを当てましたが、効果的だったようです、良かった。