55,56回公演
ギャラリー侘助 |
20年近いおつき合いの加藤位里さん(CMプランナー)の紹介で、今回の朗読会が決まりました。ギャラリーのオーナーは洋子さんとおっしゃる方で、20年ほど前に別荘として長久手のこのお宅を建てられましたが、ここ数年間は使用されておらず、折角ならば何かしようと計画。加藤さんに相談され、1年ほど前より英国のアンティーク家具、アクセサリー(明治時代にお父様がイギリスで収集)、時代着物(洋子さんの収集)などを飾る、それこそ時が遡行する雰囲気が漂うギャラリーとしてスタートされました。
ギャラリーは落ち着いた佇まいの木造二階建てで、玄関に前庭があり、その玄関を上がって、右側に改築したカウンター付きの調理場があり、廊下を挟んでに左側に12畳ぐらいの洋間が二間、その二間の前にデッキがあり、更に30坪ほどの端正な庭が拡がっていました。その庭と部屋をよしずの雨戸(少し透けて見える)で遮り椅子をおきました。
観客の方は一回目18人、その内男性は5人でした。ギャラリーの場所が分かりにくく迷われた方が多く、定時の3時半より5分遅れて始まりました。
ゆったりとした空間でしたが、声の拡がりが悪いと感じ、始めの内は少しゆっくりと、その後耳に馴染んできた頃よりテンポを上げはじめました。後半はテンポを落とすのと同時に少し感情を入れ、メリハリをつけました。朗読の途中からは、時期尚早のコオロギたちが鳴き始め、場を盛り上げてくれました。このコオロギの鳴き声に、お客さんは効果音と思われたようでした。しかし、中には鳴き方のリズムが違うことから、本物と気づかれた方もいたようですが・・・。
朗読の最後は雨戸を開け、庭に出て4時過ぎの太陽に照らし出された庭を観ていただき、その中に私が消えていくという演出を取りました。皆さんが訪れた時に見た庭、40分の後に庭が見えたときには感動的だったようです。終了後ティタイムとなり、聴いてくださった方々と談笑しました。
二回目は7時から。しかし、最後の方たちを待って27人の観客(男性5人)でスタート。15分過ぎていました。コオロギの鳴き声をBGMにして今度もゆっくりと朗読を始め、徐々にテンポを上げていきました。後半の処は科白を際立たせて性格付けしました。つまり今回はすこし立体的にしてみようと思ったわけです。すると私の中にカタルシスが増幅され、今まで味わったことのない感覚がやってきて妙な感じにとらわれました。これが良いのか悪いのか、とにかくやってきた感情のまま朗読しました。第二次大戦が始まった処で、上空に飛行機の音が。それが収まるまで間を取りました。この回は邪魔されることなく最後まで進み、前回出来なかった圧巻のライトアップ。庭に仕込んだ明かりが、エンヤの曲に合わせて美しい影をつけたようです。庭の奥に私が消えたとき、部屋にサーッと一陣の風が・・・それを「奇跡」と呼ぶ方が若干一名いらっしゃいました。家の佇まいと、庭の美しさが相まって、それはそれは見事なくらいでした。
この後がまた見事な食事、焼津直送の魚に、岐阜の山菜など、オーナーの洋子さんが折角なのでと贅をつくして下り、21人の方は大いに満足、美味しい料理の前に朗読の感想を尋ねるなど不粋といったところでした。 |
57回公演
岐阜市
ギャラリー希望 |
希望社での朗読会は1月24日に続いて二回目になります。今回は度々お世話になる有松絞りの下村訓子さんを始め、7人の染織家達の作品展での朗読会でした。
コンクリートの打ちっ放しの空間に作品が展示され、その中に大沢容子さんの和紙の上に白く凧糸を染め糊付けしたオブジェ作品があり、その作品をバックにして朗読をしました。つまり前回とは違うところに椅子を置いたのです。
朗読は定時の7時30分にスタート。前日おこなった侘助の余韻が残る中での朗読。
実は侘助での夜の朗読を聴いてくださった方に朝電話をして感想を聞きました。「全体にテンポがちょっと早いかなと感じたのは間が短かったからでは。人格を際立たせた事で、話が、そしてイメージが拡がったように感じられた。はじめて聴く方にとっては聞きやすいのでは。飛行機の音はタイムリーだった。蛇足ながら料理は十二分に美味しかった」今までに朗読会も主催してくださり、今回で聞いていただいたのは7回目となる方です。
それを受けての57回目となるこの朗読は、空間が微妙な音を捉えることもあり、テンポは変えず、間を意識してゆったりと取り、メリハリをつけてみました。後半にやはり、前回同様、得も言われぬ感情が沸き上がり、少し感情移入をし過ぎているのではないかと思い始めました。その後、自分の中に上ってくる感情を意識して押さえ、抑揚の幅を薄くして表現していきました。感情をエスカレートしすぎると、作品を邪魔する方向に行くのではないかと改めて思いました。45分間、20人を意識しながら終えました。
この朗読会には作家の方が仙台から、そして岐阜県多治見から3人の方が来てくださり、今後の公演に繋がることになりました。
ライトアップは白いオブジェに当て、更に床から10センチぐらいの処に40センチ矩形の窓が6個あり、そこから私が外を歩いているのが見えるようにライトを当てました。今回も希望社の社長が聴いてくださり、良かったとの感想をいただきました。その他、多治見のご夫婦が開催したいとの思いから聴いてくださり、女性の方は「自分をゼロにして聴きました。作品のキッとなった感じが大変良く、最後まで感動が続きました」かたや男性の方は「最初の音楽が意図するところは分かるが重たいし、長かった。最後のエンヤは木の温もりがあるところでは、しっかりメッセージとなるだろうが、無機的な空間ではもっと乾いた、ハスキーな感じのボーカルが良いのでは無いか。朗読は後半、120%の出来で、流石俳優だなと感ずるところが多かったが、前半の文章の切り方が少し自分とは違い違和感を感じた」
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