52回公演
東京都
ブックス&カフェ |
福井の友人で作家の水城雄さんがプロデュースをしてくださり、今回初の東京公演となりました。水城さんは、この朗読がスタートした当初、福井県の大野市にあった「七間美術館」にて3回ほどプロデュース。七間は新町京子さん(水城さんのパートナー)がオーナーということもあり、水城さんのピアノと朗読のセッションをした経緯があります。
実は今回始める前に、会場の雰囲気からラストの曲をジャズの曲に変更しようかと考えましたが、会場で検討した結果、やはりエンヤの曲でいこうということになりました。
会場は千代田区の旧日本テレビに近い細い道路に面した処にあり、その道路沿いに植え込みがあり、お店の中からウインドウガラス越しに、緑が見えるのです。間口は狭いのですが奥に細長く、ブックス&カフェの名称どおり所々に本棚があり、ゆったりと過ごせる空間となっていました。
この空間で、今回は35人の方を迎えて行われました。東京で朗読できたなら、この方に是非聞いていただきたいと思っていた方々にもお越しいただき、至福の中で朗読を始めました。
その朗読の位置も、どこにしようかと思案した結果、道路に面したウインドウを背にしました。道路を通る人々が気になるのではとも思ったのですが、東京で緑があるのはここという具合に緑の貝塚が8本ツリー状に植えられていたので、ここにライトアップしたいという杪谷の要望もあり決定しました。冒険ではありましたが、“折角東京さ来ただで”とやってみたのです。
朗読のスタートは観客の後ろから、ガラス越しに入る薄明かりの中へ私が入っていくという形。正面のウインドウが映し出す、東京の夜景に向かい、そしてそれを背景にして朗読を進めました。観客が近いので、その方達を頼りに、テンポもそれほど上げず40分。途中、走行音や停車音、それに興味深げにウインドウを覗く方、話をしながら通り過ぎる人などを巻き込みながらの朗読でした。
最後は植え込みにライトアップ。
終了後、歓談しながら食事という進行でした。多くの方がお残りになりましたが、朗読に関して私のお世話をして下さっている、こぐま社の関谷裕子さん、そして友人で声優の島本寿美さん(映画「風の谷のナウシカ」のナウシカの声)がお帰りになられました。関谷さんは「本当に一度聞きたかった、想像していた感じだった」とおっしゃられました。島本さんは「最初は外がチラチラ気になっていたが、その内、作品に引き寄せられ最後を迎えた。ただひとつ、榊原さん、語尾を飲まないで下さい。」とこう言い残し、踵を返されました。語尾を飲むとは、言葉の最後に余韻を残すために、声を落としていくのです。それをやりすぎると日本語は最後に意志決定があるので、分かりにくいと言うことになるわけです。こんな指摘を受け、次回の戒めにしていこうと思いました。その他の方はお酒に食事を楽しまれました。今回は朗読会開催に興味を持って下さる方が多くお見えになり、京王プラザの元企画者、ベネッセの方、世田谷でボランティア活動をしていらっしゃる方、国会図書館の方など、ありがたくお話をさせていただきました。さて、次回、東京で果たして出来るのでしょうか。この朗読にはカフェの梶浦さんにも大いにご協力をいただきました。 |
53・54回公演
名古屋市
正文館書店(二店舗) |
私の家のご近所で、正文館書店にアルバイトをされている方が正文館のイベント企画者の部長の小川さんと馬路(まじ)さんをご紹介下さり、今回の公演が実現しました。
正文館の本店と潮見が丘店の両店にて朗読会をしようと、担当の馬路さんと話し合い決定しました。
最初は1時より潮見が丘店。ここは私の自宅から車で5分の場所。近くて良いなと思いながらルンルン気分で早めに到着して用意を始めました。店長を交えて打ち合わせをして朗読開始。広い売り場の片隅に10×7メートルほどの企画スペースがあり、そこを締めきって朗読場所としました。コンクリート壁の為、声が響く空間となり、ゆったりとしたペースで声を押さえて定時に開始。おかげで微妙な言葉で表現できたように思いました。私が背にした壁に外へ通じる鉄の扉があり、ラストにはそこを空けて私が外に飛び出しました。14人の皆さんが扉から見る風景は、曇天の中ちょっと強めの風が吹く小公園。そこには、風に揺れる緑の木がありました。その公園がどうやら皆さんの心を刺激したようでした。終了後の感想では、「驚いた、しかし、扉が開いた瞬間、何とも言えない風景を見た。」「扉が開いた瞬間、一陣の風が入ってきて、心が持ち上げられた」などと、朗読を聞いていただいた際の気持ちを知ることが出来ました。
さて今度は、この地から40分ぐらいの所にある名古屋市の中心部に近い正文館本店へ移動しました。本店の一階奥、右側にある絵本のスペースを朗読場所としてすでに選んでありました。
あらかじめ空間を確認してあり、こぼれる光を遮蔽する暗幕を劇団で用意、暗転に近い状態をお願いしました。この場所は絵本達に囲まれて声が吸い込まれる空間で、この回は声を少し張ってテンポを上げてみようと思いました。一日に二回、それも空間が大きく違う所でやるというのは大変良い勉強になります。与えられた空間に、どのように朗読の表現を探るのかが試されるのですから。
24人の方と、この朗読を楽しみにされていた正文館の社長、副社長も加わって朗読が始まりました。暫くたった頃、天の声と思いきや二階から子供とお父さんの話す声が聞こえてきます、そして子供が走る音も。こんな事が幾度と無く起きる中、朗読は終了。朗読終了後、社長達と歓談。この正文館では、馬路さん達が中心となって、紙芝居などを毎月開催しているとのことで、声を媒介とするこの朗読にも大変興味がおありだったようです。また書店の方、数人が終業後にきいて下さり、本屋における文化の度合いを肌で感じたとも言えます。 |
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