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40・41回公演
三重県菰野町
和田伸政氏アトリエ
三重県菰野町にある、和田伸政さんという陶芸家のアトリエで今回は行いました。
何故この空間なのか?と言いますと、和田さんの友人で私の知人でもある、近藤ひとみさんがこのアトリエの空間を気に入り、是非ここで朗読会をしたいという希望から開催できました。近藤さんは以前、足助町の里山ユースホステルの際にも朗読会の企画をしてくださり、今回で2度目になります。
 以前から自然に包まれたこの空間で、朗読をと考えていたらしく、作家の和田さんにも一度朗読を聞いてほしいとお願いしていたようですが、残念ながら今回まで聞いていただけるチャンスが無かったようです。そこで、今回是非にと言うことになったようです。
 空間は木造二階建てで、今回の朗読の場所を挟んでキッチンと仕事場があり、二階が寝室になっているようです。真ん中にあたる朗読の会場には出入り口があり、入ってすぐが土間、土間には上がり框があり、そこを上がると板敷き25・の空間となっていました。空間は庭に面して開かれていて、まさに部屋からそのまま自然が繋がっていると言った感じで、もうこれ以上の朗読条件は無いと言ったところ。さらに部屋から10メートル先には小川が流れ、せせらぎが効果音となっているのです。ね、これ以上の条件を望んだら罰が当たるというものでしょう・・・。
 さて、そんな空間に夜6時の一回目は15人の方に来ていただきました。男性5人に女性10人、ゆったりとした雰囲気の中、朗読を開始。せせらぎをバックに、こちらもゆったりとした心持ちで読みました。時にはこのせせらぎを生かすため、間を取りながら進めていきました。しかしこのせせらぎ、実は良いことばかりではなく、あまりにも見事な音量なので、朗読の声が小さいと聞こえにくく、いつもよりも大きめの声を出すように意識して、それこそ挑むような感じで読むことになったのです。
 観客の方は、この自然の作り出す空間に浸りながら朗読を味わったと思います。ただ、薄暮のスタートになったので最初集中するのにやや時間が必要だったようです。夜の帳が降り始める6時より朗読を始め、終える頃にはもう真っ暗、なんせ山の中なので夜が来ると漆黒になります。これが功を奏して、ライトアップはもう最高。自然の懐なので、どこにでも明かりをあてる木があり、迷ったあげく正面にある、くぬぎの木に明かりをあて、さらにアトリエにあった和田さんの友人制作の縄で編んだ高さ2メートル、直径30センチぐらいの明かりのオブジェも庭に立てライトアップ。おかげで私の分身と映ったようです。
 二回目は夜8時スタートのつもりが、最後の一人が遅れること30分、結果8時30分に朗読を開始。辺りはすっかり暗くなり男性5人、女性6人の聞き手達はこの暗闇の中で集中できたようです。私の方は一回目終了時との間が無く、思うように集中出来ず、すこし散漫となり、間の使い方も思わしくなかったように思います。いかに集中力が間を作り出すかを学んだような気がします。最後のライトアップも分身の明かりが点灯せず、比較すれば一回目の方が良かったかなと思いました。が、この日2回聞かれた主催の近藤さん達は、総合的に二回目の方が良かったとのことでした。なんともまあ、分からないものですね
 聞き手の方の感想は、自然との一体感、特にせせらぎが心地良かった、せせらぎの効果音を足しているのではないかと思われるほど、臨場感があったとのことでした。
42回公演
名古屋市
正福寺
1998年の11月18日「あうん倶楽部」にて朗読をさせていただいた時に、名古屋昭和ライオンズクラブの長谷川義敬さんが聞いて下さいました。そしてその長谷川さんが今回、昭和ライオンズクラブの催しとして、企画してくださったのです。
 場所は名古屋の中心、新栄にある曹洞宗のお寺「正福寺」でした。住職も勿論、ライオンズクラブ会員の栗林哲心さん。長谷川さんとご住職のほかに、進行を勤める斉藤富雄さんの三人が、全てを仕切ってくださいました。お寺を暗幕で暗転にするために前日よりいろいろとお願いしました。
 正福寺では、百畳ほどの広さの本堂を空間として使い、本堂入り口に近いところにイスを置き朗読を行いました。聞き手の皆さんは、後で総会が出来るようにしつらえてある長テーブルを挟んで足を崩し、初めから楽な姿勢で座られました。これは司会の斉藤さんがお願い事として、ゆったり聞くために最初から足を崩して下さいとおっしゃったからです。これが、最後まで皆さんの集中が継続した要因だと思いました。
 男性41名、女性11名の計52人、それもほとんどの方が、私や杪谷より人生の諸先輩方で、始まる前から若輩の私を捕まえて「先生、先生」と呼ぶ始末。“まいったなーもう”そんな環境の中で繰り広げた40分の朗読。
 始まってしばらくすると咳をする方が多くなり、その内“お〜我慢しているな”と言う感じもありあり見え始め、これは少しテンポを上げた方がよいかも知れない、それにいつもより、情感を出した方が、年輩の方達は話に集中できるかも知れないと思い始め、開始10分より(多分それぐらいだろうと言う推測)いつもとは少し変えた表現にしました。すると、こちらも日頃の表現方法と異なり、それと同時に心持ちも変わり、より分かりやすい朗読になったように思えました。
 朗読の間、これといった邪魔も入らず無事終了。その直後、杪谷がこの朗読の趣旨などを述べさせていただきました。この後ライオンズクラブの例会が始まり、私たちはしばし休憩。
 会長の高木さんは、「ゆっくりと朗読が始まったので、慌ただしい日常を引きずること無く、話に入って行けたのが良かったね〜。大変静謐で、ひたひたと押し寄せる感動が印象的だった、最後の音楽、誰のかわからんがうなずいたね」という感想でした。仕掛け人の長谷川さんは、「昨年からお願いしてあったので、先生が病気にでもなったらどうしようかしらん、と思っとりました。まあ、僕の場合はいっきゃあ(一回)聞いとるで、感動をま〜一回もらって得した感じだわね〜。ほんでも今みんなに聞いたけど、感動した、感動した、良かったわ〜と言っとりました。」こんな感じで私に話して下さいました。
 このお二人が52人の方の代弁者と思い、今回の朗読も良かったかなという気持ちを持ちました。会長の高木さんはこの後4つのライオンズで、講演をされるそうで、この朗読のこともピーアールしておきますよと、言って下さいました。
 ライトアップは今回は無し。しかし漆黒の闇につつまれた空間は久しぶり、おかげで最初の登場でイスがどこにあるか分からず、通り過ぎるという失態もありました。勿論最後も、帰り道が分からず人の膝を蹴るというおまけ付き。