公演レポート
公演レポート>2005
193,194回
2005/12/5
3:00PM, 7:00PM
北海道帯広市
ジョナサンハウス
上田妙子さん

昨夜の悪夢を振り払うかのように5日朝9時7分、花田さん、倉茂さんと共に『スーパーあおぞら3号』で札幌から帯広へ向かう。車中、杪谷が「ばらさん昨日、蝋燭での朗読を聞いて、照明は語っては駄目だ、風景にならなければいけないと思ったよ」この思わぬ一言に、“アクシデントは更に上を目指すきっかけ”・・・と考えるべきか否か?
 さて、帯広の会場は、植物のアロエを原料に健康を考えた製品販売に取り組む“北海道切っての名物女性”上田妙子さんと、ご家族が運営する(アロエベラグレィス)の研修センター『ジョナサンハウス(全国の会員の研修センターとして8年前に建設)』です。昨夜の“不運の人?”倉茂さんもそのメンバー。兼ねてから、倉茂さんが尊敬する女性が上田さん。この夏に、朗読会を主催するかどうかを相談されたのも、実はこの方だったのです。
 二時間半で到着すると、上田さんちの由紀子さん(妙子さんの義理の娘)がお出迎え。「お昼ご飯はどうします」勿論、選択は杪谷に有り。即“帯広名物「豚丼」を食望!”一番おいしいお店(由紀子さん曰く)に直行して、我々の胃袋は幸せ気分。杪谷は特盛りで大満足!その後、茶色の屋根に黄色い壁の会場『ジョナサンハウス』へ向かったのです。
  建物は、商品のアロエジュースの容器と同じ色。帯広でも、とっても際立つ建物。その上にクリスマスのライトアップ!ときては、それはもう負けますです、ハイ。
 上田妙子さんに進治さん(ご主人で一族会社の社長)、信吾さん、由紀子さんご夫婦が今回のスタッフ。皆さんの雰囲気は、一丸となって盛り上がる・・・という感じです。
 40畳の研修室が朗読空間。3時開演を前に早速、迷子の荷物?を紐解き準備開始。朗読の場所をベージュのカーテン前の平台の上と決め、総動員で暗転準備。これが、もう大変だったんです。昼間の光が差し込む大きなガラス窓を塞ぐ為、ブラインドを降ろし、遮光カーテンを引く。それでも明かりが漏れる。毛布など、あらゆる手段を使って悪戦苦闘、出来る限りの暗闇誕生。本当に我が儘を聞いてくださり感謝です。
 準備が早々に終わったので2時35分開場。朗読中に寒くならないようギリギリまで暖房、開演時に切りました。私は会場後方にコート姿で観客に背を向け知らん顔でしたが、これって、逆に目立ったのかも。
  月曜日午後3時の観客は46人(男性9人)。5分遅れのスタートです。燭台下げは“元気印は天然記念物!”の上田妙子さん。事前の練習で自信を持った上田さんは、それはゆっくりと燭台下げを敢行。いい感じでご本人も満足そう。さあ、私の出番。客席後方から語り始めると“あれ、隣のキッチンの光が漏れている?こりゃ、まずい”語りながら前方右の扉をしっかり閉め、朗読椅子へと歩く。そこからは皆さんの視線を捉えながら、北の大地の朗読?すると皆さんが、あちこちで連鎖的に“あくび”多分、食事のあとの睡魔?なのでしょう。それでも眠いのを我慢して、真剣に聞いてくださる健気な帯広の皆さんに、ここへ来て良かった・・・と思ったかって?いいえ「あくび気になる冬の帯広」です。
 空間の響きが思ったより良いお陰で、声を張ることもなく、聞き手の集中力を頼りに語りました。皆さんもゆったりと楽しんで下さった・・・と思っています?
 両脇の鉢植えとカーテンに当てた杪谷のライトアップで、最後を締めくくりました。
 終了後、上田さんが皆さんの前で「会場の準備といい、ライトアップといい、しっかり仕事をこなす姿に“本物の芸術”を見せていただいたように思います。そして自分の仕事もしかり。ここまでやりこなす気持ちを持つことが大事なのだと思いました、感動しました」この言葉に思わず“頭が下がりっぱなし”の朗読者。帯広の空は高いのにね・・・!?

 <『ジョナサンハウス』>12月5日(2回目)
 3時の余韻を残しながら、帯広第二弾7時の公演を待ちます。前回は、元気印たっぷりの上田さんちの妙子さんが燭台下げ。今回は「豚丼」を一緒に食べた仲の由紀子さんが担当。元気はつらつ、黙っていると踊り出す由紀子さんです。燭台下げも母から子へバトンタッチ、スムーズな儀式になったと言っておきましょう。ゆっくり歩き、妙子さん曰く「由紀子の顔が蝋燭灯りでパアッと見えた」んだそうです(妙子さんは聞き手で余裕あり)
 さて、開演を待つ間、光がこぼれていた部分の確認と再度、完全暗転への挑戦。次は夜7時、あやめもわかぬ暗闇となること間違いなし。その後、折角なのでクリスマスミニ朗読は2年前の作品も一緒にやろうと提案し、杪谷と打ち合わせ。しかし、挿入する曲で喧々囂々侃々諤々。それを乗り越え最終決着。お客さんが「聞きたい」となれば・・・押し売り?のクリスマスプレゼントをしよう・・・となったのです。
 開場を早めて6時半前には開放。出足好調と思いきや、思いがけないことに“小悪魔さんたち(子供)”がどんどんやってくる。“その数3、4、5。あ〜、もう数えられない”と、朗読者は顔面蒼白。北の大地で顔が強ばり心の中では大絶叫“あ〜、もう駄目だ!”しかし、怒濤のごとく大群が押し寄せればどうにもならない。ただ、お願いするのみ『どうか私に、クリスマスプレゼントをください。』
 先ほど同様、杪谷の横に陣取り観客に背を向け待機。チラッチラッと振り返っては、気になる小悪魔ちゃんたちが何処に跋扈しているかを確認。一番前に女の子がいる、その後ろにも。再度“神様・・・”です。
 その内に7時5分を過ぎて開演。観客は48人(男性8人)。由紀子さんの燭台下げが牛歩戦術?で見事決まると、思わず唸るほどの暗闇。“暗いのは好きだな〜”とニンマリとし、右の壁伝いに進みながら語り始めました。3時の余韻が身体に残り、空間を掴んでいる感じがヒシヒシと自身に伝わってきます。暗闇の中、一段高い朗読場所に座り、見えないにも拘わらず小悪魔たちを目で探す。暫くして気持ちも落ち着き、聞き手の顔も見え始める。と言っても見えるのはせいぜい二列目まで。
 今夜は、前列中央に座った赤いセーターの女の子を中心に(勿論、本人は露とも知りません)朗読の世界が回り始めたのです。以前の「小悪魔事件」では、メリハリをつけて物語性をやや強調し、子供たちの注意を引こうとしたのですが、今夜はリトルレディ(少し年齢が高い)が相手。大人の世界を覗いてもらおうと、敢えてこれまでの朗読スタイルを踏襲。感情を抑えてゆっくりと読み進め、間もたっぷり取って空間の広がりを意識しました。途中“あくび”も2~3回(朗読者は見ています)ありましたが、最後まで少女は、世界の中にいてくれました、ありがとう。
 ライトアップは3時の回と同じく、両サイドの二本の鉢植えに明かりを当て、さらにベージュのカーテンに橙色。ところが何を間違ったのか、杪谷は最初に天井近くのクリスマス用の豆球に明かりを(ミニ朗読の秘策で隠し球)入れたのです。“あれ、変えたのかな?”と思い、あとで聞くと“弘法も筆の誤り”・・・?だった様です。美しければそれで良しですね。
 クリスマスプレゼントのミニ朗読も皆さんの「聞きたいアンコール」で、二つの作品を読ませていただき、帯広公演は無事終了。そういえば、ミニ朗読で、最後に私が「皆さんにメリークリスマス」と語りかけると、一回目は1人の女性が、二回目には多くの皆さんが、おうむ返しに「メリークリスマス」“神様・・・”と祈った贈り物が、まさか、こんな形で2つ?もプレゼントされるとは・・・!?久しぶりに朗読者が感動でした。