通算三度目(今年二回目)の北海道ツアーが始まった・・・期待感でゾクゾク〜です。
杪谷、橋本さん、私の三人は各々、胸ときめかせて北の大地へ飛んだ。
最後に飛び込んだ私は、我らの道産子プロデューサー花田祐子さん(言葉少な目の実力者)と先行の二人に合流、札幌市南区の『倉茂邸』へ直行。真駒内駅に降り立っても、しばれる寒さではないので何となくつまらない。だって、“ゆ〜きやこんこん”を夢見てトレッキングシューズで来たのですから……それでも倉茂宅周辺は雪が残っていました。
お洒落な二階建て『倉茂邸』へ4時半ごろ到着。このお宅を設計された“北海道のフルート青年”建築家で音楽家の畠中秀幸さん(北海道の記念すべき一回目の主催者)とばったり。前日に倉茂さんに朗読会があると聞き「俺が行かないと始まらない(実際そうなった)」と駆けつけてくれたのです。“いいとこあるねぇ〜”ほら今、家の中から倉茂文子さんが顔を覗かせた。
倉茂さんとは三ヶ月半ぶりの再会。倉茂さんは花田さんの勧めで国分寺の『アートハウス(今年8月)』でお聞きくださり、その夜、酔いに任せて?主催を決定、即断即決でした。
お宅へ入ると白を基調としたモダンで瀟洒な佇まいに暫し「あ・こ・が・れ」ていると階段下に荷物が見える“届いてるな”しかし良く見ると一つしかない。何気なく「倉茂さん、もう一つトランク届いてませんか?」すると「それだけですよ~」・・え?・・・!?みんな凍った・・・・・・凍った・・・・・・・・寒くも無いのに凍った・・・・・!!!。
今夜の全ての歯車が狂っていったのです。橋本さんは慌てて二階の会場へ上がり、運送会社にトランクが届いていないこと、さらに荷物が何処にあるのかを確認し、ここからバトルが始まった!!!すったもんだの末、どうやらトランクは札幌のセンターにあるらしい。ところが運ぶのに手段がない。人がいない、車もない等と埒があかない。6時過ぎ、漸く荷物が動き出した。ここまで費やした時間は約一時間半。その間に打開策を検討。まず開演を15分遅らせ6時45分とし、それまでに荷物が届いたら準備をして開始。45分までに届かなかったら、蝋燭の灯りで朗読会を進めると決定したのです。今ここにあるのは、朗読の本と、どんぐりチケットと“良きサマリア人 畠中さん”のフルート。照明と音響関係、衣裳は無し。“本があれば朗読は出来る”と、朗読者は握り拳を作り、いつもより力無く、ちょっとだけグッ!!。助っ人の 森岡 惠美子さんも加わり、まずは準備開始です。
二階右奥の角を背に朗読椅子を置く。両脇に照明とスピーカーの入った立方体の“魔法の箱”(そうなれば嬉しい)。使えない場合は蝋燭置き場としました。並行して蝋燭も椅子の前に一本、横に二本用意。座布団や椅子で25人ほどの空間を確保。杪谷は照明が復活することを期待してコードを這わせ、一階の玄関前にも二階へ向けてライトアップの照明を仕込む・・・健気です。あと5分で到着という連絡も入った。希望の光は、果たして!?
杪谷が一縷の望みを残して今回のアクシデントの説明。そうこうする内に45分を迎えた……【遂に来なかった】希望の光が消えた瞬間、新たな希望の光で始まった!!。
二本の蝋燭が灯る中、畠中さんがグノーの「アベマリア」でスタート、倉茂さんが三本目の蝋燭をしずしずと掲げ、椅子の前に置き戻って来た。階段下から語り始める。ゆっくりと間を取り、聞き手の気持ちを確かめるように一人旅。最後も畠中さんの「G線上のアリア」が奏でられ、蝋燭での朗読会は終了。
倉茂さんは「蝋燭の灯りも良かったわ」でも、心の中では、これまでの形で23人(男性6人)の方に聞いて欲しかったかも。倉茂さん、花田さん、今度は大丈夫です。そうそう、問題のトランクは玄関外で、寒さに震えていました。